みらい動物病院 医院長ブログ

日々の生活や、ペットの健康の豆知識などお届けします。 滋賀県大津市を中心に診察している動物病院。夜間診療・往診ご相談ください。 トリミング施設、ペットホテルも併設しております。専用駐車場有。

【初診時データ】
2014年12月5日 アメリカンコッカースパニエル 12歳 体重9kg 去勢済み

【主訴】
・1~2ヶ月前からフケ・痒み・脱毛・ベタつき(脂漏)がある
・週に一度ぼ薬浴(クロルヘキシジンシャンプー及び保湿シャンプー)
・抗生剤、ステロイドの内服
・元気がない
・痩せてきた(以前は12kg)
・1年前にアカラス(ニキビダニ)感染があったが今は完治
・食物アレルギーの疑いもあり様々なアレルギー食を試す


では、初診時の写真です。
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右体幹部

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右体幹部アップ

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右後肢


当院では初診時、出来るだけ飼い主様からお話を聞き、今までの治療経過や生活環境など可能な限り多くの情報を集めます。

そこから、必要な検査を提案し、診断・治療へのプランを組み立てていきます。

今回は、定法通り感染症の検査(細菌・真菌・寄生虫)の検査を行い、多くの細菌・真菌(マラセチア)が見られたため、ステロイドは使用せず、抗生剤・抗真菌剤の内服及び自宅でのスキンケア療法(遠方からお越しの為)を実施してもらう事になりました。 

ただ、この子の場合は、一般的な感染症治療への反応が悪いことや、体重の減少過去にアカラス感染がある事を考慮し、皮膚病以外の『基礎疾患』がある可能性を説明させていただきました。



3週間後の再診時、痒みはマシになったものの、脱毛はおさまらず体重もなかなか増えてくれません。
基礎疾患の有無を見るために行った一般血液検査では大きな問題はなく、

『さて困った・・・』
と、なりそうな所なのですが、逆にある診断に向けて近づいているなと感じていました。


実は、初診時に飼い主様からお話を聞いている時点で、ほぼ診断はついていたのです。
クッシング症候群

ただ、全くクッシング症候群の典型像である
・腹部膨満
・多飲多尿
・皮膚の希薄化

などが見られなかったため、確信に至りませんでした。


ただ、『クッシング症候群』の可能性が考えるという説明をし、検査を実施する事になりました。



結果は・・・








グレーゾーン・・・

つまり、クッシング症候群かもしれないし
クッシング症候群でないかもしれない

という、最も聞きたくなかった結果なのです。

経験と症状から判断し、投薬を開始することも出来なくはないのですが、もしもクッシング症候群でなかった場合、クッシング症候群のお薬を飲むことで、副作用が出てしまう恐れがあります。

それでは本末転倒なわけで、何かクッシング症候群を裏付ける、投薬を開始出来る材料を探していました。

そこで見つかったのが、『疥癬(ダニ)』です。

実は、クッシング症候群の検査は、『グレーゾーン』という結果がよく出るため、
診察の度にせかせか『毛』を抜いては顕微鏡で観察し、『アカラス』や『疥癬』が出てこないかを地道にチェックしていたのです。

『アカラス』や『疥癬』といったダニは、子犬や老犬に多く、『免疫力の低下』に伴い寄生をする事が多いのです。
食欲旺盛で、まだ老犬という所まではいかないのに『疥癬』が出るということは、『皮膚の免疫力が低下している』という事を裏付ける一つの証拠になるのです。


これで自信を持ってクッシング症候群の治療ができるわけです。






大変お待たせ致しました。
クッシング症候群治療開始2ヶ月後の写真です。

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右体幹部

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右体幹部アップ

koushi2
右後肢

獣医さんに『もう、お手上げ!』と、言われていたそうなのですが、
今は痒みもなく、元気になりすぎて困っているという飼い主様のお話です(笑)


今回は典型像ではないクッシング症候群のため、検査まで到達しない、
検査までは到達しても診断までは踏み込めない。
教科書通りにはなかなかいかないものです。


大津市のみらい動物病院では、『難治性皮膚疾患』に対し、スキンケア療法を中心とした最新の皮膚科学に基づく治療を行っております。

皮膚病でお悩みの方は、一度ご相談下さい。
尚、皮膚病の初診は、問診や説明に多くの時間を費やすため、出来るだけご予約の上、
ご来院お願い致します。

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みらい動物病院は、病気の治療・予防だけでなく、 ペットが日々健康に暮らせるための食事指導やしつけ・マナー、お手入れ方法の指導、動物を通じての子供教育など、ペットとペットオーナーそして地域の方々と共に、ペットと暮らしやすい大津市のみらい(未来)を作っていきたいと考えます。

アットホームで話しやすい、ペットオーナー様が参加出来る、オープンな診療を心掛けております。どんな事でもお気軽にご相談下さい。

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休診日;木曜日、日・祝午後
診察時間:午前9時~12時 午後4時~7時30分
夜間・緊急は随時受付





 

こんばんわ!
2月・3月と忙しく、なかなかブログ更新が出来ずに申し訳ありません。
4月・5月は更に忙しくなる季節ですが、まめに更新頑張ります!

さて、気になるタイトルだと思いますが・・・
ここ最近、皮膚病のセカンドオピニオンで来られる飼い主さんが多く、日々診療を行っている中で、
ふと疑問に思いました。

ワンちゃんの皮膚病で多いのは、圧倒的に細菌感染による膿皮症というものです。
通常は、適切な抗菌剤とシャンプーを選択することにより改善します。
しかし、膿皮症は痒みが強いため、ステロイドで痒みを抑えるという治療が行われることも多いため、
治りが悪くなったり、再発をしやすくなります。

ただ、ステロイドも使用せず、適切な抗菌剤とシャンプーも選んでいるのに、一向に良くならない、もしくは、すぐに再発してしまう膿皮症(難治性膿皮症)というものが存在します。

もちろん、ホルモン疾患などの 基礎疾患が隠れている場合もありますので、しっかりと診断をつける必要はあります。

では、なぜ難治性膿皮症があるのか?

これに関して真剣に考えてみました。

ポイントは、

(1)膿皮症の原因菌はほとんどが黄色ブドウ球菌
(2)皮膚バリア機能
(3)汗と皮脂
(4)犬の皮膚はアルカリ性

黄色ブドウ球菌は皮膚の常在菌(健康な人も犬も持っている)であるのに、これが膿皮症の原因になる。
なぜそうなるのか?

それを突き詰めていくと(2)~(4)に行き着きます。
特に(4)は、デタラメじゃないのか?
とも考えています。

と言う訳で、

DSC_0064

こんなアイテムを使いながら、新たな膿皮症の治療を始めています。
膿皮症や難治性皮膚疾患でお悩みの方は、当院までご相談下さい。


 

こんにちはヽ(^0^)ノ

天気予報の『今年一番の寒波襲来』という言葉を、いい加減信用できなくなってきた院長です。
しかし、立春も過ぎ、三寒四温ながらも少しずつ春に近づいてきているのでしょうね。 

さて、本日は、中高齢のワンちゃんやネコちゃんを飼っておられる飼い主様からよく相談される、
【お口の汚れと口臭】に関してです。


まず最初に、ワンちゃんやネコちゃんの歯が茶色くなっている場合、多くの場合は
『虫歯』ではなく『歯石』です。


ワンちゃんやネコちゃんで『虫歯』を見ることは滅多にありません。 
口腔内のPHがアルカリ性(虫歯菌は酸性で増殖)、唾液中にデンプンを糖に変える酵素(アミラーゼ)が少ない、
など、虫歯になりにくい様々な要因があるのです。

虫歯にならないのであれば『お口のトラブル』もないのでは??
と、思いがちですが、やっかいなのが先ほど挙げました【歯石】です。

【歯石】は、食べ物のカスとばい菌(細菌)の塊であり、放っておくと、
・歯周病
・口臭
・心臓病

などの原因となり、痛みでごはんが食べられなくなったり、最悪の場合、死に至ることもあるのです。


そこで大切なのが日々の歯磨きです。
しかし、人間と違い動物の場合はなかなか歯磨きもさせてくれない子が多いですよね。
そんな子達には、口の中にスプレーするだけで歯石の予防になるタイプなどをおすすめしています。


それでも歯石が付着してしまった場合、全身麻酔をかけて超音波スケーラーという特殊な機械(歯医者さんで『キィィーン』と鳴っているアレです)を使用し、歯の表面に付着した歯石を取ってしまう必要があります。

一般的な歯科処置としては、超音波スケーラーを用いた歯石除去で終了なのですが、当院で行っている歯科処置はそこで終わりません。

1.超音波スケーラーを用いて歯の表面の歯石を除去

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2.超音波スケーラーで目に見えないほどの細かな傷がついた歯の表面をツルツルにする
→ポリッシングと言います。この処置をする事で新たな歯石が付きにくいようにする大切な処置です。
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3.歯周ポケット内殺菌及び蒸散
→半導体レーザーと呼ばれる装置を用いて、超音波スケーラーでは届きにくい歯周ポケット(歯と歯茎の隙間)内を殺菌する事で、歯周病による痛みを軽減します。さらに、『蒸散』という手技を行う事で、歯周ポケットを埋めていき、歯周ポケットに溜まる歯石を減らします。
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模式図

 
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実際に処置しているところ




実際にこの3つの手順をで歯科処置を行った飼い主様からは、

『以前に行った歯石除去よりも格段に歯石がつく量が減った』
『口臭がなくなって今まで以上にスキンシップを取れるようになった』 
と、いうような喜びの声を頂いております。


もちろん、このような処置をしっかり行っても、処置後のケア(歯磨きやスプレーなど)を行わなければ歯石はついてきますのでご注意くださいね。

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みらい動物病院は、病気の治療・予防だけでなく、 ペットが日々健康に暮らせるための食事指導やしつけ・マナー、お手入れ方法の指導、動物を通じての子供教育など、ペットとペットオーナーそして地域の方々と共に、ペットと暮らしやすい大津市のみらい(未来)を作っていきたいと考えます。

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