みらい動物病院 医院長ブログ

日々の生活や、ペットの健康の豆知識などお届けします。 滋賀県大津市を中心に診察している動物病院。夜間診療・往診ご相談ください。 トリミング施設、ペットホテルも併設しております。専用駐車場有。

2014年04月

巨大食道症(Megaesophagus)

食道は、食べ物を胃に輸送するという働きがあります。
しかし、何らかの理由で食道のこの機能が低下し、食べ物をうまく胃に輸送できずに、
食道が拡張してしまう病気を「巨大食道症」と言います。

巨大食道症になると、まず見られる症状が
「吐き戻し(吐出)」というものです。

これは食べ物が胃に到達する前に吐き出される事で、「巨大食道症」を疑う大きな要素となります。

では、
食べ物が胃に入ってから吐き出される「嘔吐」と、
食べ物が胃に入る前に吐き出される「吐出」を、
見分ける方法はあるのでしょうか?



あります!

「嘔吐」の場合、吐いた物(吐瀉物)には、胃液が混じる事が多いので、黄色っぽい胃液の色をしていたり、独特の酸いにおいがします。吐瀉物のPHを測ることが出来れば、酸性に傾くためよく分かります。

一方、「吐出」の場合は、吐瀉物に胃液が混じらず、食べ物がそのまま吐き出されます。
また、食べた直後から30分以内に吐き出すことが多いのも特徴です。



では、実際に「巨大食道症」と診断した例を紹介します。

ミニチュアダックス、オス、4歳
(主訴)
食べたものをよく吐き、痩せてきた(子犬の時から)
急にぐったりした

(診察結果)
栄養状態が悪く、低血糖によると思われる神経症状も出ていた為、
即、入院、点滴、検査となりました。
血液検査で貧血や脱水、蛋白など栄養状態の低下が見られ、レントゲンでも拡張した食道が確認できました。


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(診断・治療)
巨大食道症と仮診断し、原疾患(巨大食道症を引き起こす基になる病気)がないかを見ていきました。
巨大食道症は、

・先天性
・後天性

に、分けられ、
「先天性」の場合はほとんどが「特発性」と言われ、原因不明とされています。
「後天性」の場合は、ホルモン性疾患や自己免疫性疾患などにより引き起こされる場合がある為、
精密検査が必要となります。

今回は主訴で、子犬の時から吐いていたと聞いているので、「先天性」が疑われましたが、
念の為、ホルモン検査なども行い、異常がないことを確認し治療を進めていきました。

「巨大食道症」の治療で最も大切なのは
エレベーテッドフィーディングというもので、食事を立った状態で取らせる事で、食べ物を重力で胃に送り込むというものです。
※写真はイメージです
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これを1日4回行いながら、胃腸のお薬を投薬し、足りない水分は点滴で補っていきます。

この病気は、治ることは稀で、一生付き合っていかないとならない事が多いです。
しかし、若いうちに気づき治療を行えば、エレベーテッドフィーディングと投薬を続けることで、食道の拡張が改善したとの報告もありますので、諦めず治療する事が大事です。



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みらい動物病院は、病気の治療・予防だけでなく、 ペットが日々健康に暮らせるための食事指導やしつけ・マナー、お手入れ方法の指導、動物を通じての子供教育など、ペットとペットオーナーそして地域の方々と共に、ペットと暮らしやすい大津市のみらい(未来)を作っていきたいと考えます。

アットホームで話しやすい、ペットオーナー様が参加出来る、オープンな診療を心掛けております。どんな事でもお気軽にご相談下さい。

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休診日;木曜日、日・祝午後
診察時間:午前9時~12時 午後4時~7時30分
夜間・緊急は随時受付



 

こんばんわ。
大津市のみらい動物病院です。

4月に入り春の予防シーズンが始まり、なかなかブログを更新できませんでした。
そんな中、先週気になるニュースが 報道されました。

まずは、コチラの新聞記事をご覧下さい。

あまり聞きなれない病気ですが、「エキノコックス」とは、もともとは北海道の風土病として知られていました。
キタキツネやエゾヤチネズミが媒介し、人間に感染するとかなりの高確率で死亡してしまう恐ろしい寄生虫病です。

本州にこの伝染病が侵入してきたのには諸説ありますが、有力なのは1988年の青函トンネルの開通により、
エキノコッカスを持ったネズミが荷物などに紛れ侵入した?
と、言われています。

今回、愛知県の野犬での感染が確認されましたが、すでに野生動物内で感染が広がっていれば、近畿地方に入ってくるのも時間の問題と思われます。

非常に危険で気をつけたい伝染病ではあるのですが、人間は感染をしても症状が出るまで10年ほど掛かる為、分かった時には手遅れということが多いのです。

予防としては、
・野山に出掛けた時はよく手を洗う
・野山で採れた山菜や水の飲食は控える


などです。
はい、当たり前の予防法しか書けなくてすみません。。。

人から人への感染はなく、人への感染は、感染動物の糞便を介して伝染します。
野山に出掛けることがなく、山菜なども気にしておけばまず人が感染することはないと思われます。

もし、ワンちゃんを連れて野山に遊びに行くことがある場合は、ワンちゃんが感染し、人に感染する可能性はあります。
しかし、幸いなことに、今年、ワンちゃん用の予防薬が発売されましたので、ワンちゃんはエキノコックスを予防することが出来ますので、ご心配・ご興味のある方はご相談下さい。


残り、2つの伝染病はまた後日書きますね!


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