例年梅雨時期から夏の暑い頃にかけて増えてくるのが、外耳炎など耳の病気や皮膚病です。
今回は、「耳の病気」について書きますね。

動物が耳を気にしている(痒い・痛い・気持ち悪いなど)時の行動には、どのようなものがあるか分かりますか?


1.耳を掻く
これは王道ですね。
掻くことによって、傷つけてしまったり、病原体を耳以外に広げてしまうことがあるので要注意です。



2.床や壁に耳(頭)を擦りつける
 耳垢が溜まっていて気持ち悪かったり、耳の奥の方が気になる時にする事が多いですね。



3.頭を振る
これも結構多いです。
垂れ耳のこの場合は、耳をパタパタする事で、耳介の中の毛細血管が壊れてしまい、
耳血腫という病気になることがあります(耳血腫の原因は、免疫関係の異常という説もあります)。 


もし、上記1~3のような行動が見られれば、動物の耳をチェックしてください。


チェックポイントは、

A:耳介内側の色と腫れ
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健康な耳の内側は、白色~ややピンクがかっています。
腫れや痛み・汚れといったものもほとんどありません。

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健康な耳と比べると、赤みが増し、また、腫れが見られます。
このような場合は、触ると痛がって鳴いたり、熱を感じられることもあります。


B:耳垢の有無
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このような黒い耳垢は、カビ(マラセチア)や耳ダニ(ミミヒゼンダニ)の感染でよく見られます。
適切な処置・投薬を行わなければ、いくら掃除をしても次から次へと耳垢が出てきます。


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黄色~黄緑色の耳垢は、細菌感染が起きている可能性があります。
これも適切な処置・投薬をしなければ、中耳炎・内耳炎へと波及していく危険性があります。


C:耳の中のニオイ
香ばしいような独特のニオイや、化膿しているようなニオイなどは、カビや細菌感染を起こしているかもしれません。


上記A~Cのような状態があれば、早急に動物病院へ行かれることをおすすめします。


では、A~Cのような異常が見られなければ、安心しても良いのでしょうか?
実は安心はできないのです。
次のワンちゃんやネコちゃんの耳の模式図をご覧下さい。

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ワンちゃんやネコちゃんの耳は、まず、縦に真っ直ぐ穴が伸びており(垂直耳道と言います)、途中でほぼ直角に曲がり奥へと続いている(水平耳道と言います)のです。
つまり、外から目視で確認できるのは、せいぜい、直角に曲がるまでの垂直耳道までなのです。


そこから先は、耳鏡という特別な機器がないと確認が難しく、水平耳道だけに限局して異常が見られるということも多くあります。

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また、水平耳道の一番奥には鼓膜があり、鼓膜より奥での異常は中耳炎・内耳炎へと悪化していきます。


以上のことから、耳の異常で動物病院へ連れて行く目安になるのは、最初に書きました
耳を気にしている行動
1.耳を掻く
2.床や壁に耳(頭)を擦りつける
3.頭を振る

が、見られた時点というのが安心だと思います。

早期治療が出来れば、治りも早く、再発までの期間を伸ばすことも可能です。

おおよその費用ですが、耳の処置で800円~2000円、お薬の処方で1500円~3000円程度掛かりますので、初回は合わせて3000円~5000円ほど掛かると思われます(お薬の種類や体重により前後します)。

また、外耳炎を引き起こさせない・再発しにくくする日常のケアも非常に重要で、
当院では、VET Solutions イヤークレンジングソリューションによる週1~2回のケアをオススメしております。